『オプティミストはなぜ成功するか』
パンローリング
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ポジティブ心理学の生みの親、マーティン・セリグマン博士の初期の作品です。
私はこの作品を呼んでポジティブ心理学の素晴らしさに気付かされました!
≪評価≫
≪感想≫
1997年に全米心理学会会長に就任したマーティン・セリグマンの初期の作品です。
原題は『Learned Optimism』で「学習する楽観性」という意味です。
本書では、「説明スタイル」というのが大きく取り上げられています。
人が楽観的かどうかを漫然と判断するのではなく、科学的に判断しようという方法です。
説明スタイルとは、何か物事が起きた際に「なぜこのようになったのか」を普段自分に説明するときの方法です。
何が起きたのかを文字に起こしたものを分析するといいう形で、分析するのです。
説明スタイルには、① 永続性、② 普遍性、③ 個人性の三つの重要な面があるといいます。
① 永続性
楽観的な人は不幸なことは一時的だと感じており、悲観的な人は不幸なことはいつまでも続くと考えているというのです。
つまり、時間軸ですね。
たとえば、
- 永続的(楽観的):妻は今、機嫌が悪い
- 一時的(悲観的):妻はいつも機嫌が悪い
② 普遍性
楽観的な人は不幸なことはそのことだけに当てはめ、悲観的な人は不幸なことを何にでも当てはめるということです。
つまり、広がりの話ですね。
たとえば、
- 特定的(楽観的):この仕事はつまらない
- 普遍的(悲観的):仕事なんてものはつまらないものだ
③ 個人性
個人性は何か起こった時に自分に原因がある(内向的)と考えるか、他人やまわりの状況を原因がある(外向的)と考えるかということです。
たとえば、
- 内向的(楽観的):私は運に恵まれている
- 外向的(悲観的):偶然ついていただけだ
しかし、だからといって悪いことを全て他人やまわりの状況のせいにするのは良くないことですけどね(^_^;
何か起きた時に、幸運なことは永続的、普遍的、内向的に考え、不運なことは一時的、特定的、外向的に考えると楽観的になれるそうです。
他にも、この書評では省きますが、ネガティブな状況になった時に使う事のできるABCDEモデルなどが説明されています。
≪著者略歴≫
ポジティブ心理学を提唱した、アメリカの心理学者であり、ペンシルバニア大学のポジティブ心理学センター*のセンター長。
1998年の期において、アメリカ心理学会会長でもあった。
彼が提唱した「学習された無力感(Learned Helplessness)」の理論は心理学者の中で広く浸透している。